2016年11月30日水曜日

受け取れない恵み

クレヨン牧師のミニエッセイ

『受け取れない痛み』
 病院で看護補助のアルバイトをしていたときがあります。毎日多くの方が入院してこられます。その中にはこの病院で一生を過ごすであろう方もおられました。その方が若ければ若いほど胸をしめつけられる感じがしたのを覚えています。
 
  あるときカルテをみてびっくりしました。私と同じ年令で、二人の幼い子供たちがおられました。その方も一生を病院で暮すであろう方だったのです。
 
  そのとき私は、この人の痛みや苦しみを共にできるだろうか、いや私は共にできないと思いました。私には受け取ることのできない痛みや苦しみがこの世にあることを知ったのです。その方は会話のなかで次のように言われました。「俺の苦しみは俺にしかわからないよ。あとわかるのは神様かな」。
 
  十字架の主はなぜ苦しまれたのでしょうか。それは、痛みを知るためではなかったでしょうか。「私だけはあなたの痛みがわかるよ。安心していいよ」と、イエス様が言われるためだと思います。イエス様だけは知っていてくださるのです。